みなさんこんにちは。こんばんは。おはようございます。
🐻です。
今回は以前から(消費増税に関連して)オススメしていた本、「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学」についての読書メモを残しておく。
「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」を読もうと思ったキッカケ
まず、なぜこの「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」を読むの至ったのかであるが、いつものようにTwitterのタイムラインを覗いていると、消費増税に関連して「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」を読んでみてはどうかというTweetが流れてきていたからだ。
表紙も白地に黒い文字で書かれたもので、自分が普段読んでいるゲンロンさんの本に比べると至ってシンプルなデザインの表紙だった。
実際に手に取ってみると、結構分厚いようにも感じたが、実際は315ページとちょっぴり背伸びすれば読める量だ。
読み始める前に、この本の書評や感想がどの位ネットに転がっているのかググってみた。
アメブロやはてなブログでのまとめが多かったが、どの媒体も文字一辺倒の感想文が」多かった。
シ○ドスでさえ、文字だけでの紹介でインパクトの薄い感じがして唖然とした。
折角インターネットがあるのだから、絵や写真や図で表現する感想がもっとあってもいいのになぁとも思ってしまった。
もちろん円グラフや棒グラフで実績や調査結果のごまかしを行っている予備校やメディアがあるも知っているし、それは不味いことだろう。(特に3Dグラフがデータのゴマカシに使われているケースが多い)
だが、文字だけで埋め尽くされていては、印象にも残らないしもっと色んなアプローチがあっていい。
最近は只でさえ、ソシャゲやYouTubeやNetflix等で刺激たっぷりなのに、文字媒体だけじゃ若い人にリーチしにくいのではないかなとも思うし…
かといって写真ベタばりのクッソ重いページを作るのも癪に障るので、ここでは、文字と動画や写真、図がうまい具合に混ざったものを作っていきたい。
著者について
本書は、基本的に3人の著者による鼎談形式で書かれていた。
3人の考え方や背景は本の中で語られてはいたのだが、本を読んで知ったことを踏まえて、まとめておこう。
ブレイディみかこさんについて
ブレイディさんについては、Wikipediaによると(Wikipediaの情報は正確さに欠けていて本当はよくないのだが)、福岡県の修猷館高校を卒業後、上京、渡英をされた方のようだ。ブレイディさんの公式(?)ブログもあったので貼っておく。
修猷館高校といえば、隈本有尚という初代館長が遠縁に当たるらしいので他人事には思えなかった。といっても有尚さん自身は養子らしいので血の繋がりはないようだ。どうでもいい情報なので、<strike>したった。
前提として修猷館高校は福岡市内の県立高校ではトップクラスの進学校で、裕福な家庭の子息が多い。ブレイディさんは貧困家庭から修猷館に入学した珍しいケースだったようだ。
そんなブレイディさんは高校時代のいい思い出が殆どないようで、高校時代に教員からイビられて嫌な思いをしたのだそうだ。
教員からイビられた内容というのも、「アルバイトをしたから」というものらしい。
裕福な家庭の子息が多い修猷館では、アルバイトは遊びのための小銭稼ぎとみなすクソな教員が多かったそうだ。
本当に「貧困を理由にアルバイトをしている」にも関わらず、有無を言わさず、生徒をいびる教員の神経はどうかしている。
自分の身内にも教員がいたので、このエピソードについてどう思うのか尋ねてみると、貧困を把握しなかった教員の失態については良くないと踏まえた上で、「学校側の許可は必要だろ」と強く叱責されてしまった。
ついでに思い出したことで、自分の身内は生徒のことを教え子と呼んでいた。教え子呼ばわりするのは欺瞞の匂いがプンプンする。
というのも、かつて浅田彰さんが教え子呼ばわりする教員はクズだと何処かで発言されていたような気がしたからだ。ただ、どこでの発言なのかは、ハッキリとは思い出せない…
たとえ身内と意見が対立していようが、浅田さんの仰るように、一方的に生徒を教え子呼ばわりする教員は態度が芳しくない。
一方的に「教え子」呼ばわりする日本の教員って一体何様なんだろう。そんな風に考えていると、言葉にしづらい怒りがふつふつと湧いてしまった。
また、権威的な家庭で生まれ育った自分も貧困叩きに加担していたような気がして申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。
松尾匡さんについて
松尾さんについても、まずはWikipediaを参考にしてみると神戸大学で経済学の博士号を取得後、久留米大学で教員をした後、現在は立命館大学で教授をされている方のようだ。
松尾匡さんは個人のHPをお持ちのようなので、そちらの情報の方がかなり正確なものだろう。
松尾匡さんについて、まず思い浮かぶのは主にTwitterで展開されていた薔薇マークキャンペーンだ。
薔薇マークキャンペーンについての概略は、↓のプロモーション動画が参考になるのではないかと思う。7分ちょいの動画なので、途中までではなく最後まで見ればどんな感じなのか掴めるかもしれない。
「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」の中での松尾さんはマルクスやケインズ、各国の政治状況等の知見を詳細に述べられていた。役回りとしては、辞書といっては失礼かもしれないが、まさに辞書のような役割を果たされていたようだった。
トマ・ピケティの『21世紀の資本論』ブームが数年前にあったこともあり、マルクス主義が再注目されつつある。そのマルクスに精通されている松尾さんの知見が鼎談の中で際立っていた。
北田暁大さんについて
北田さんについても例に倣ってまずはWikipediaの情報から。(Wikipediaの情報は話半分位で閲覧することを推奨したい)
北田さんは、東京大学で社会情報学の博士号を取得された方のようだ。この本の中では、経済学の視点だけでなく、哲学や社会学の視点での指摘や問題提起をなされていて、The 人文知識人的な役回りだった。
以前、どなたからかTwitterで北田さんの本をオススメされ、積読した状態になっていることもまた思い出した。
ざっくりした内容
基本的には、具体的なエピソードや参考書籍やニュースなどを示されながら、ブレイディさんと松尾さんと北田さんの鼎談方式で議論が進んでいくという感じだ。
あまり書きすぎても営業妨害になりかねないので、ここでは詳しくことを自粛したい。(流行りに乗った訳ではありません。予めご了承ください。)
印象に残った箇所
英国でのチャヴ差別
イギリスには、「チャヴ」と呼ばれる人たちがいて、社会から貧乏で能力が低い「人種」認定されて差別されている人たちのことをそう呼んでいるらしい。
日本に当てはめて言えば、生活保護だけで食っている穀潰しのようなイメージで語られているという。
しかし問題なのは、天下のBBCが「チャヴ」を揶揄した差別番組を放送していたらしいのだ。(詳細は本をお読みください)
オーウェンジョーンズ『チャヴ』も紹介されていたので、よかったら是非。
何れにせよ、最貧困層をネトウヨと揶揄して笑い者にする番組を日本でも作られたら大変なことになると個人的には思う。
日本ではリベラルと目される人々がネトウヨはよくないと言いがちだが、一部の金持ちリベラルが最貧困層のことを小馬鹿にする態度には辟易する。
適菜収にTwitterでブロックされた件
この本に影響されて、適菜収について言及していると、適菜収にブロックされてしまった。適菜収さんってよくネトウヨ批判をやっているけれど、リベラルというよりは権威的で保守的な人なんだなと思ってしまった。
この本(「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学」)のどういう文脈で適菜収が言及されているのかは、各自で買うなり、図書館で借りるなりして探して見つけて欲しい。
最近の日本の政治状況に照らして思うこと
ここでは、あくまで自分の観察した印象から「この人やこの組織はここに当てはまりそうだな」と思う独断と偏見に満ちた感想を書いているので、その辺りはご了承ください。
「今だけ金だけ自分だけ」の新自由主義者たち(ネオリベ)
竹中平蔵、池田信夫、小泉純一郎、三浦瑠麗、橋下徹、古市憲寿、落合陽一、あたりをネオリベと表現してもいいと思う。
まず、竹中平蔵と池田信夫についてだが、2010年に共著で『日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか』という本を出している。あまりにも愚劣に思えたので、本のリンクすら貼りたくない。
最近のコロナ騒動でも、池田信夫は感染症の専門家ですらないのに、「日本はコロナに勝った。東京オリンピックは予定通りやるべきだ。」とTweetしていた。
吉本の漫才のボケ芸ならともかく、知識人面して分かった風なことを言い続ける神経を疑う。
次に小泉純一郎についてだが、彼は2001年に「自民党をぶっ壊す」というスローガンで衆院選に大勝し、竹中平蔵を総務大臣にしてネオリベ的な政策を推進した。例えば、郵政事業の民営化や、規制緩和(派遣労働の拡大)がそれ(ネオリベ的な政策)にあたると言えよう。
橋下徹と三浦瑠麗については、竹中平蔵と共に講演会を開催していたことからも分かるように、ネオリベと言っても差し支えないだろう。
古市憲寿、落合陽一については、文春の対談記事の中での命の選別発言で物議を醸した。
落合陽一は反省表明したが…古市憲寿と落合が「高齢者終末医療カット」言い逃れでさらに露呈した無知と無自覚 1月6日(日)15時45分 LITERA
財政規律を唱える似非左派知識人
内田樹、金子勝、浜矩子、田中康夫、岩上安身、明石順平あたりは財政規律を主張して貧困層をいじめているケースがあると思う。分かりやすい判断材料は、反緊縮バッシングだ。
https://togetter.com/li/1366329
この人たちに共通しているのは、「ハイパーインフレになる」と主張されていることだ。
第一次大戦後の賠償金のために、ドイツがハイパーインフレになったのは有名である。
ただ、日本は第二次大戦の戦後処理の過程で無条件降伏をしている。
もちろん、かつて日本が植民地支配をしていたアジア諸国に対しては、反省の弁を述べ、可能な限り補償をする必要があるだろう。
ここで言っているのは、戦勝国に対する賠償金の話だ。
日本は無条件降伏をしているので、戦勝国に対する賠償金支払いの義務はないはずだ。(日米地位協定や米軍への思いやり予算の存在は否定しない)
それでは「何のために反緊縮をするのか?」だが、グリーンニューディール的な政策を打つためだ。
グリーンニューディール的な政策を打つためにも、政府が金を出して雇用を創出する必要があるのではないだろうか。
ここでいうグリーンニューディールというのは、環境負荷を減らすために必要な政策だ。
しかし、キナ臭いのは、今現在(2020年8月現在)の環境大臣が小泉進次郎であることだ。
ネオリベ連中が小泉進次郎を利用して何か企んでいると邪推するのは簡単なことだろう。
事実、コロナウイルス拡大防止のために衛生上の観点からレジ袋を使うことが良いとされているにも関わらず、日本は7月からレジ袋の有料化をした。
他国が、レジ袋の無料化を始めているにも関わらずだ。
間が悪いとしか言いようがない。
さらに小泉進次郎が最悪なのは、モーリシャスで起きたタンカーの事故対応の愚鈍さだ。
靖国神社に参拝する準備や暇はあるように見せつけるのに、モーリシャスの事故解決に向けた対応をしていたとは到底思えない。
というのも、モーリシャスの事故は7月25日、小泉進次郎によるモーリシャスの事故への言及は8月15日だからだ。
2020年8月15日 / 15:35 / 1日前 重大な危機、専門家と職員派遣へ=モーリシャス沖座礁事故で小泉環境相
日本の海運会社、長鋪汽船の関連会社OKIYO MARITIME社が所有する、パナマ船籍の大型ばら積み貨物船「WAKASHIO(わかしお)」は先月25日、モーリシャス沖のサンゴ礁周辺で座礁した。
重油流出の日本貨物船、「真っ二つ」の恐れも モーリシャス沖 - BBCニュースモーリシャスのジャグナット首相は9日、同国沖で座礁し、重油が流出している日本の貨物船について、船体に大きな亀裂が入り、船が「真っ二つになる」恐れがあると警告した。
これらのできごとから分かるのは、小泉進次郎は環境大臣であるにも関わらず、モーリシャスの事故については、靖国神社参拝の二の次にしている感じがすることだ。
とても印象が悪いように思う。
反緊縮左派の現状
ネオリベや、財政規律左派を批判していてアレだが、反緊縮左派に問題が全くないかといえばそうとは言い切れないと思うのが個人的な印象だ。
特に反緊縮左派の政治家は自然科学系の認識が酷すぎる。
ワクチンが危険だとか5Gの電波が危険だ(じゃ4Gや3Gはいいのかよ)とか、ロスチャイルドがなんとかだとかがそれにあたる。
ただ、先ほど挙げた財政規律左派にも、放射能に関連する明らかなデマを流している者がいるようなので(奇形玉ねぎは明らかにデマ)、特に立憲民主党には全く期待できない。
経済/財政政策では反緊縮を掲げ、自然科学を蔑ろにしないという政治勢力が欲しいのにいないというのが悲しい現実だ。
各国政党・政治家の立ち位置の図
ざっくりした各国の政党や政治家の立ち位置を自分の印象でお絵かきしたものを貼っておく。
日本
ポイントは自民党から立憲民主党までは、竹中平蔵の匂いがぷんぷんすることだ。
「竹中平蔵ロクでもない」と言えるかどうかは日本国憲法21条に規定されている表現の自由の保障という意味でも非常に重要な側面だと思う。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
最近の go to キャンペーンや補助金中抜き問題など、竹中平蔵は人として許しがたい発言や行動が多いように思う。
また、ここでは、れいわ新撰組や共産党を左派に位置付けた。
しかし、左派なのは経済金融問題だけで、反ワクチンの主張が強いことや地球温暖化対策のために必要な原発を全否定する反原発の色がかなり濃いように見えるなど、自然科学系の認識が若干科学的とは言いづらいのが難点だ。
イギリス
他国の現状を知るには、『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』を実際に読まれるのが一番だと思うので、ここでは下手くそな落書きだけ残しておく。
アメリカ
他国の現状を知るには、『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』を実際に読まれるのが一番だと思うので、ここでは下手くそな落書きだけ残しておく。
フランス
他国の現状を知るには、『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』を実際に読まれるのが一番だと思うので、ここでは下手くそな落書きだけ残しておく。
まとめ
今現在(2020/08/16)、コロナウイルスの蔓延で世界的にも巣篭もり生活が推奨されている。
ニートや引きこもりはむしろ、巣篭もりしているのが日常と言っても過言ではないと考えられるので、そのような方々をバッシングしてきた人々は大いに反省すべき時期がきたと思う。
また、コロナ禍での人々の消費活動の落ち込みから、(自分は逆進性の強い消費増税も極悪非道だったとも言いたい!)経済的に苦しむ方々も多いだろう。自分もそうだ。
生活保護受給者をバッシングしている人も反省して欲しい。
以前このブログでも彼女に関する記事を書いたが、ハリーポッターシリーズの生みの親である、JKローリングさんはシングルマザーで生活保護を受給しながら、ハリーポッターを執筆されていたようだ。
生活保護を受給するのは国民として当然の権利だし、困った人はどんどん受給すればいいと思う。
どことは言わないが、イギリスの生活保護受給者と同じ位の知識で国会議員に当選する恥ずかしい国があるらしい。
最後にまとめと書いてしまっているので、ざっくり箇条書きにしておく。
- まずは、「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学」を読んでみて欲しいということ。
- ネトウヨによる外国人やマイノリティへの差別は明らかにまずいが、ネトウヨ批判しか能のない左派はイギリスのBBCがやっていたチャヴ差別と何ら変わらないように思えること。
- ネオリベはどの国でもクソだということ。
- 小泉進次郎は環境大臣に向いていないということ。
- 経済/財政政策では反緊縮を掲げ、自然科学を蔑ろにしないという政治勢力が欲しいのにいないのが悲しい現実だということ。
以上だ。うまくまとまらなかったけれど、この辺で。
それでは。🐻でした。
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